「ビフィズス菌」と「乳酸菌」は、それぞれ別に記載されていることが多い。
では、違うのかと聞くと、同じだと返事が返って来ます。しかし、違うのだそうだ。??
この誤解は、学術的に「乳酸菌」というものが特定の「菌種」を指していないことから生じているのです。代謝により「乳酸」を産出する菌種は総て、乳酸菌なのです。
しかし、私達が「乳酸菌」と呼んでいるもののほとんどが「細菌」なのです。
フィルミクテス門・バチラス網・ラクトバチラス目・ラクトバチルス科に属しているのです。・・・ラクトバチルス属・エンテロコッカス属・ラクトコッカス属・ペディオコッカス属・リューコノストック属・レンサ球菌属などがあります。L.delbrueckii・L.acidophilus・L.casei、E.faecalis・E.faecium、・・・ヨーグルトのラクトバチルス属では、ブルガリクス、ガセリ、アシドフィラス種が有名、カゼイ・シロタ株は「ヤクルト菌」「LCS」として知られています。
一方、「ビフィズス菌」も乳酸菌の仲間ですが、こちらは
放線菌門・放線菌網・放線菌亜門・ビフィドバクテリウム目・ビフィドバクテリウム科に属する菌なのです。ビフィドバクテリウム属になります。・・・人間の腸内には、B.bifidum・B.breve・B.infantis・B.longum・B.adolesccentisの5種が棲息する・・・
細菌(球菌・桿菌)と放線菌とでは、生存条件や培養方法なども異なっています。
「うんこ」の乳酸菌に対して「うんち」のビフィズス菌ともいえます。人の糞便(うんち)中1gあたりの菌数は、ビフィズス菌が100億個、それ以外の乳酸菌が10~100万個といわれています。
培養する時にも、乳酸桿菌はニコチン酸とパントテン酸を加えないと増殖しません。また、ほとんどの株がビタミンB2を添加しないと増殖しません。
これに対して、ビフィズス菌はパントテン酸をそのまま利用できないので、パンテチンを添加しないと増殖しません。またビフィズス菌の菌体内には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンC、ニコチン酸、葉酸、ビオチンが蓄積されています。
腸内常在細菌叢のバランスを改善する目的で、生菌を含んでいるものを「プロバイオティクス」と呼んでいます。腸内有効菌に対するオリゴ糖などの栄養源を補給する製品を「プレバイオティクス」と呼んでいます。知らないと間違って買ってしまいそうですね。