自然循環型社会の創生を目指して グリーンキーパー様の痒いところに手が届くサービスを

富谷カントリークラブ様

震災から復興した自信を次世代へつなげ、誰もが満足できるコースを作る

富谷カントリークラブ
グリーンキーパー 南 修 氏

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東北や北関東のゴルフ場のなかには、2011年の東日本大震災の影響で、いまだコース再開のメドが立たないところや、コース閉鎖を余儀なくされたところも少なくない。仙台市から15kmほど北に位置する『富谷カントリークラブ』も震災で大きな被害を受け、コースのあちこちに亀裂や陥没が生じた。この修復を地道に進め、コース再開に尽力したのがグリーンキーパーの南修氏である。コース管理の責任者になって間もなくの大きなアクシデントを乗り越え、コースの新生も間近になっている。

バンカーがまるごと消えてしまった大震災のつめあと

南 修 氏

南 修 氏

東北から関東にかけて大きな被害を及ぼした東日本大震災。ゴルフ場も例外ではなく、ダメージからの立ち直りには多くの時間が費やされた。
「震災の後は3カ月間閉鎖しました。地盤が大きく陥没している箇所があったり、人が簡単に落ちそうなくらい大きな亀裂が生じていたり、ゴルフが出来る状態ではないというよりも、人が立ち入ったら危険なほど地形が変わりました。」
南氏は当時を振り返り、あまりの惨状に言葉をなくしたと語る。
「はしごをかけないと上がってこられないくらいに落ち込んだグリーンだとか、パターも何もできないくらいに凸凹になったグリーン。フェアウェイも、16,000〜17,000平方メートルくらいにわたって崩れて形が変わっていましたね。驚いたのはバンカーが一つまるごとなくなってしまっていたこと。これは果たして修復できるのかなと呆然としました。」
震災が起こった時にはちょうど芝の張り替え中で、スタッフ総出で作業をしていたという。
「作業は途中だったのですが、大きな揺れがある程度おさまった時点でスタッフは皆帰宅しました。私も帰ろうとして、コースに人が立ち入ったら危険なので、門扉を閉めようとしたのですが、歪んでしまってまったく閉まらないんです。どうにかこうにか針金でくくってコースを後にしました。」

震災からの立ち上がりに役に立った【Dr.芝用補酵素】

呆然とした状況でも立ち止まってはいられない。再開へ向けてベクトルをあわせなければならなかった。
「震災後しばらくは夜遅くまでスタッフと額をつきあわせ、どこからどういう順番で修復していくかを検討しました。もう無我夢中でしたね。」
スタッフ総出の努力の甲斐あって3カ月後にはコースを再開するが、まだまだ満足のいく出来ではなかったという。
「この短い期間でよくここまで修復できたな、という思いと、このクオリティの低さで果たしてお客様が来てくれるのかという心配が交錯していました。だけど、後ろを振り返っている暇はありませんから、昨日よりも今日、今日よりも明日、一歩ずつでもコースのクオリティを上げてお客様に来てもらうようにしなければと必死でしたね。」
そんな時に出会ったのがバイオメンテナンスの資材【Dr.芝用補酵素】だ。
「泉国際ゴルフさんが使っていたんです。5月のはじめに先方を訪れたとき、芝が茶色ではなくて青々としていたので、同行していたアグリ仙台の菊池さんに尋ねたらバイオ製品を使っているとのことだったんです。早速試してみようと思いました。」
その年は予算の関係で導入できなかったが、翌年には使い始め、その後も継続して使っている。
「【Dr.芝用補酵素】は抜群にいいです。ウチではおもに改良と予防を目的として散布しているのですが、これを使い出してからほとんど病気や生理障害とは無縁なんです。それと、芝が丈夫になってハリが出てきました。5月〜9月まで5カ月間は必ず散布して、ほかの月は必要に応じて使っています。確かに価格は少し高いけどそれだけの効果は充分にあります。ほかのキーパーさんにもよく勧めているんですよ。」

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トップクラスの人も納得する理想の芝をめざして

user6-5震災後、3カ月で再開した富谷カントリークラブにはトーナメント開催の依頼が多く舞い込んだ。
「結局、宮城県よりも福島県のゴルフ場のほうが壊滅的な状況で、福島で開催されていたトーナメントをこちらで引き受けたり、宮城の他のゴルフ場で開催されていたものも引き受けざるを得なかったりして、とにかく当時はそうした依頼をこなしていくのに精一杯で、あっという間に年月が過ぎていきました。」
震災以降、悩みはたくさんあったが、特に気になっているのは水が思いどおりに流れなくなったこと。
「地震で地下の地形も変化して、以前のように水が流れなくなったのだと思います。いま一番の課題です。まずはトップシーズンを避けながら暗渠工事を行って水の流れを確保していきます。」
そして東北と言えども、難関なのが夏越しだという。
user6-6「やはりキーパーにとって一番気を抜けない季節は夏場から残暑が終わる9月中旬までですね。紫外線にも負けずに、少量の水でも活き活きとしている芝が理想です。夏のためには半年前から準備して、今度は【夏の活緑】を投入しようかと考えているんです。」
いまは震災から立ち直ったこのコースを磨き上げていく大切な時期だ。
「あちこちのゴルフ場を回ってみて、私自身が理想とする芝は刈高が低くてもグリーンの色があざやかなものです。頭の中には常にその理想がありますね。」
そしてコースのマイナス面をプラスに転換しようと奮闘中だ。

user6-7「ここのコースは全長距離が短めなので、プレー上級者のなかにはもの足りないと感じられる方もいます。その方たちにも満足してもらえるにはどうするか、というのが課題の一つ。いま2週間に1回くらいはトップドレッシングを行い、スティンプメーターで10フィートは維持しています。さらに先日、デモで転圧機をかけてみたのですが、そこから30センチから60センチくらい距離が伸びたんです。うまくいけば12フィート近くは出るなという感触を得ました。そうなったらトップクラスのプレーヤーにも満足のいくコースになるのではないかと思っています。」

フェアウェイからグリーンまでパッと浮き上がるコース作り

user6-8さらにいま南氏が取り組んでいるのがフェアウェイのリニューアルだ。
「菊地さんにも相談しながら、フェアウェイを形成し直している最中なんです。というのは当カントリークラブのフェアウェイはどちらかというとストレートで、同じ幅でフェアウェイがあってその外がすべてラフという割合単純なかたち。もう少し競技志向、上級者向けに変更を加えていこうかと考えているんです。そうすればトーナメントの誘致にも有利に働きますので。」
バイオ製品を役立てることでスムーズなリニューアルをめざしている。
「いままでもフェアウェイ変更の要望はあったのですが、費用もかかりますし、簡単ではないので、なかなか本腰がいれられませんでした。ただここに【バイオ補酵素】を投入すれば、リニューアル作業がスムーズになるのではないかという読みもあり、進めることにしたのです。【バイオ補酵素】は土壌改善のほか芝草の色出し効果もあるので、以前のフェアウェイの輪郭を消し込みながら、新しい青々とした芝草を育てることができます。2015年のフェアウェイに期待してほしいですね。」
と南グリーンキーパーは自信をのぞかせる。農協職員から転身し、この道に入って24年。
user6-9「あと2年で定年です。それまでに暗渠工事を行って排水を良くし、バンカーの排水も滑らかにいくように工夫します。そして、次の担当者にきれいな状態でコースを渡したいと考えているんです。」
濃密で気の抜けない2年間が南グリーンキーパーを待っている。

代理店:アグリ仙台株式会社
代表 菊地 修

富谷カントリークラブさんとのおつきあいはかれこれ20年になります。南さんには部長に就任された5年前から、様々な提案をさせてもらっています。
もっといい方法はないのか、もっといい資材はないか、いつも芝のことを考えているような真面目な方なので、バイオ製品にも非常に興味をもっていただき、導入に至りました。震災から立ち上がり、もっともっと良くなるポテンシャルを持ったコースです。今後もぜひお役に立ちたいと思っています。

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