最近、また良く「グルコサミン」の宣伝を目にするようになりました。
良く錯覚することですが、生体の代謝に必要な成分が入っている食品が、直に効果があるわけではありません。栄養価とか必須成分が入っていても、人体に「そのままの形で吸収されるか」ということと、「体内で有効に働いているか」ということは、別の次元の問題なのです。・・・・ほとんどの成分は、胃や腸の消化酵素により、「分解されて」吸収されます。・・・・また、体内に入ってからも、多くは必要な成分は体内で合成されるものが多く、直接的に利用されるものは少ないのです。
植物でも、肥料に配合されている成分が、吸収が良い成分か否か、吸収後、有効に働いているか否かは別の問題です。チッソ成分を吸収すると、葉は色を濃くして光の受容を高めます。これは、チッソが効くのでなく、植物にとって養分の細胞間移動はアミノ酸として効くのであって、チッソからアミノ酸への転換に「光」が必要な為の反応です。・・・ですから、「葉色が濃くなる」というのは、葉の途中の反応に過ぎないのです。・・・本当にチッソが効くのは、アミノ酸として効くのです。・・・・日照が必要なのです。
グルコース(ぶどう糖)は、植物が「澱粉」として貯え、動物が「グリコーゲン」として蓄えます。「一粒で100m」の宣伝をしている「グリコ」は、この名前に由来して命名されています。この「糖」に「アミノ酸」が結合したものが「ムコ多糖体」とよばれている「グルコサミン」なのです。この他にも、グルコサミンには蛋白質と結合した「糖蛋白」や、脂肪と結合した「糖脂質」もあります。キチン質も仲間に入れられます。
そこで、そんなに重要なのかと思って、「グルコサミン」を摂取しても、乾燥肌の改善効果なし、美肌効果なし、関節に良い効果なし、と厚生労働省所轄独立法人・国立健康・栄養研究所が有効性疑問の情報を喚起しています。確かにグルコサミン経路の活性亢進はグリコーゲン合成に影響を与えますが、グルコサミンを摂取しても、直接的には働かないということです。ですから、医薬品として認定されていないのです。有効に働かせる為には、何かが不足しているのかもしれません。研究、解明が待たれるところです。