明治32年(1899年)に出版された「度量衡制度詳解」で、漢字が使われています。
メートル=m=米、センチ=㎝=糎、ミリ=mm=粍、ミクロン=μm=粆、でナノ=nmはありません。ですから、nm=ナノ、Å=オングストロームは、それ以降に出てきた長さの単位なのです。
新型肺炎の新型コロナウィルスの写真が公表されていますが、白黒写真です。
何故かと言うと、可視光線の波長よりも小さな存在だからです。
光学顕微鏡と電子顕微鏡の違いもここにあります。目に見えない世界なのです。
可視光線の波長は、380nm~780nmです。ウィルスは60nm~220nmです。色の世界よりも小さいのです。(1nm=1/10億m)
水素原子が0.1nmで、水分子が0.38nm、DNAのアルファ螺旋の直径が2nm、人間の神経細胞のプロセスの直径が1000nm、大腸菌が2000nmで人の赤血球が9000nmくらいになります。
人工衛星から観測すると、人工芝生か天然芝生か一目瞭然です。波長が違うのです。様々な波長の画像を組合わせることで、電子顕微鏡と同様な画像解析ができるのです。数センチの誤差まで分かってしまうのです。
電子には、通電物質を流れる性質の他に、「波」としての性質があります。「波」は、自分と同程度の長さで配列が繰り返されているものと衝突すると、特定の方向に回析する性質があります。
電子顕微鏡は、この電子の「波」の性質を利用して、物質中の原子の並び方を観察します。顕微鏡の先端に取り付けられた細い針金を物質に近づけて行くと、ナノメートルの距離になると「微弱な電流」が流れるのです。これで、物質の表面をなぞって行き凹凸を見るのです。これで、原子の大きさの凹凸が確認できるのです。これを繰返すことにより「画像」が手に入るのです。
更に、原子を動かすこともでき、原子レベルで人工的に構造を制御した特殊な材料を作り出すことも出来るようになりました。これ等が、ナノマテリアルです。
こうして創られたのが、一部の製品へ活用された「酸化チタン」などの光触媒の機能を持つ物質や、化粧品などに使われている「アスタキサンチン」また、コンピューターなどの「記憶媒体」等々です。ウィルスよりも小さな造形物なのです。