ゴルフ場、サッカー場、野球場などに限らず、公園や農地の肥培管理にまで、「少量散布型」の肥培管理方法が導入されて来ています。

「少量散布型」というのは、農薬や肥料や活性剤などを水に溶かして、ほんの「少量」散布する方法です。

この方法は、「人件費高騰」と「作業する人の減少」が要因となっています。

また、「薬剤の高騰」や「輸送費の高騰」も拍車をかけています。必要最小限の資材を、必要なだけ、必要なタイミングで、「簡単に済ませる事が出来る」ということが条件なのです。

 

人間の世界でも、「噛まずに食べる」「飲むように食べる」という風潮があります。

タピオカや、ラーメンや、日本風のカレーも、とろみをつけた食べ物も・・・飲み込む食べ物に人気があります。電子レンジで「チン」するだけで完成する料理方法も、人気があります。「安い」「簡単」「旨い」のが良いのでしょう。

しかし、人間、楽をしてばかりしていると良い事ばかりではありません。

「癖になる」「高カロリーになると太りやすい」ということ以外に、「顎(あご)が弱くなる」という欠点があるのです。「顎」が弱くなると、「頭」が弱くなり、とある体内ホルモンの分泌が悪くなり、「寿命」が短くなってしまうと医学会では指摘されています。

 

芝草の管理に於いても、様々な問題を起こす事が、現場管理者より指摘されています。

苅込回数の削減に使う「○○抑制剤」は、2年以上経過すると「根詰まり」を起こし易くなるという報告があります。植物にも、地上部と地下部のバランスをとる、植物ホルモン等を介した調整機構が存在します。つまり、目に見えない「地下部」に問題を起こし易いのです。

地上部では、「上根型(深根が少ない)植物」が優勢になります。根の無い「藻」や「苔」の発生が多くなる可能性があります。芝草と近似種の「スズメノカタビラ」が優勢になる可能性もあります。

地下部のサッチ層が厚くなれば、「害虫」や「病原菌」の増殖も気になります。「フェアリーリング」の出現の端緒となる事もあります。

こうしてみていくと、

一端、トラブルを起こしてしまうと、「人手」「経費」「作業」という難問が次から次へと湧きだして来ます。

 

グリーンキーパーさんやグラウンドキーパーさんのお悩みは、鎮痛剤では間に合わなくなる、といった具合です。