私の個人的な見解は、「ウィルスの解明=生命の革命」というふうに思っています。

その前に、新型コロナウィルスの感染が、マスコミの力により予想外の反響をもたらしていて、「ワクチン開発のオンパレード」となっています。

人類は、「新型コロナウィルスのワクチン」に失望を連続させることになるかも、しれません。

何故なら、RNA型ウィルスは、転写エラーが起きやすく、およそ3ケ月程度で変異するとされています。そうすると、折角のワクチンが効かなくなります。また、ワクチンによる抗体が数週間以内で消えてしまう可能性もあるのです。

一方で、新型コロナウィルスは、同属の一般的な風邪ウィルスの4種、或いはSARSウィルスなどとも交差免疫を起こしている可能性があります。これが、アジアでは欧米のように感染が広がらない、重症化しない理由の一つかも知れないのです。

いずれにしても人々の恐怖心を煽り続けているマスコミの影響で、日々の感染者が激減しない限り、新型コロナウィルスの恐怖は抜けきらないで続くように思えます。

 

もう一つの問題は、「新型コロナウィルス」が人造ウィルスの疑いをかけられていますが、その製造過程と同じ方法で「新型ワクチン」も作られているということです。

①組換えタンパク質・ワクチン ②ウィルスベクター・ワクチン ③mRNA・ワクチン ④DNA・ワクチン などです。勿論、中国のように旧来の ⑤不活化・ワクチン ⑥組換えウィルス外殻タンパク質・ワクチン などの開発もあります。

そこで、これらのワクチンについて順次、説明をして行きたいと思います。

不活化ワクチン

ウィルスの感染性、或いは病原性を失わせたものを使用します。これを注射するとウィルスが自然免疫を誘導し、更に抗原タンパク質が主に液性免疫を誘導します。

既に、インフルエンザHib型ワクチン、日本脳炎ワクチンなどの実績があり、中国のシノファーム、シノバックなどは、このワクチンを開発しています。

 

組換え外殻タンパク質(VLP)ワクチン

ウィルスのゲノムを含まない外殻タンパク質のみを、微生物や昆虫、或いは植物細胞などで作ったワクチンです。外殻タンパク質を抗原として注射すると、これがペプチドに分解されて液性免疫を誘導します。

既に、B型肝炎、ヒトパピローマウィルスのワクチンとしての実績があります。

 

組換えタンパク質ワクチン

ウィルスの抗原タンパク質を、猿や豚や羊などの哺乳動物、或いは昆虫、或いは植物細胞などで作らせたワクチンです。抗原タンパク質が取込まれ、ペプチドに分解されて、これが主として液性免疫を誘導すると考えられています。

既に、昆虫細胞を使ったインフルエンザワクチンとしての実績があります。

 

 

ウィルスベクター・ワクチン

エイズ(HIV)ウィルスは、ヒト免疫不全ウィルスとして恐れられています。

この感染力を利用して、これを運び屋(ベクター)として、HIVの有害な遺伝子部分を除去したものを用いて、遺伝子治療や癌の免疫療法などに用いています。

・・・新型コロナウィルスも、この疑いを持たれています。・・・

勿論、運び屋(ベクター)の運ぶ物により、効果が違って来ます。目的の病原細菌や病原ウィルスに対する「抗原タンパク質」を組込・運べば、細胞性免疫、液性免疫ができる訳です。

この他に、

運び屋(ベクター)には、アデノウィルスやレトロウィルスなども用いられています。

アデノウィルスを用いる場合は、遺伝子E1領域を欠損させて、非増殖型にしてあります。物理化学的に安定性が高く、また比較的に大きな遺伝子を組込めます。

自然免疫を惹起させるとともに、液性免疫や細胞性免疫も惹起されます。

但し、クッパー細胞でも炎症系サイトカインを引き起こすIL-6やil-12が産出されるので、サイトカインストームによる死亡事故が起きやすくなります。

ウィルスをベクターとして使用すると、自然免疫系が抑えきれない可能性が高いのです。

更に、液性免疫によりベクターウィルスの抗体が出来ているので、2回目以降のベクター効果を妨げてしまいます。また、アデノウィルスの場合は、多くの人が「ヒト5型アデノウィルス」に対する「抗体」を既に持っている可能背も高いのです。

中国のカンシノの新型コロナウィルス・ワクチンは、この「ヒト5型アデノウィルス」をベクターとしており、同様にアメリカのアストロゼネカとオックスフォードの共同開発しているものは、免疫過剰反応・サイトカインストームを回避するように、アセトアミノフェン1000mgを予防投与しています。(J&Jは26型、IDファーマはセンダイウィルスを使用。)

これらのワクチンは、1投与より、2回投与の方が「中和抗体」が良く定着すると思われますが、その分危険性も高くなるような気がします。

何より、この種のワクチンは、同じ運び屋(ベクター)のワクチンが、将来に亘って使えなくなる可能性があるのです。

 

mRNA・ワクチン

これは人工ワクチンである為、簡易的に作成できます。抗原タンパク質の塩基配列を作る情報を持ったmRNAのワクチンです。そのままですと、生体内で分解され、血液中のマクロファージや好中球などにより排除されてしまいます。また、これらの「自然免疫反応」が過剰に誘導される可能性が高いのです。

そこで、「ウィルス・ベクター」のワクチンと違って、「脂質ナノ粒子・ベクター」を使っています。脂質ナノ粒子にmRNAを封入して投与するのです。投与後に、細胞質内でmRNAがタンパク質に翻訳され、免疫が誘導される仕組みです。

「液性免疫」だけでなく、「細胞性免疫」も惹起されます。

最初の新型コロナウィルスのワクチンは、このタイプです。作るのが簡単である為、臨床データーさえ揃えば、すぐにでも申請できます。

アメリカのモデルナ社の開発したワクチンは、新型コロナウィルスの感染用スパイクの塩基配列を作る情報をもったmRNAを脂質ナノ粒子に封入したものです。

アメリカのファイザー社、ドイツのビオンテック社、イギリスのインペリアル・カレッジロンドン社のものは、このタイプです。特に後社のものは、「自己増殖性mRNA」
を用いているので、投与後、発現量が多く、長期間効力が持続します。

 

BNT162b2    mRNA-1273
開発企業 ファイザー/ビオンテック    モデルナ
ワクチンの種類   mRNAワクチン   mRNAワクチン
接種回数    2 回    2 回
接種方法    筋肉注射    筋肉注射
第三相試験参加者    
小児の登録   12歳以上が参加  18歳以上が参加
高齢者の登録  56~85歳が40%   65歳以上が7,000人
予防効果     95%        94.5%
重症化予防  
副反応 2回接種後:倦怠感3.8%

頭痛2.0%

初回接種後:局所の腫 2.7%

2回目接種後:倦怠感 9.7%

筋肉痛 8.9%

関節痛 5.2%

頭痛   4.5%

疼痛   4.1%

発赤   2.0%

温度管理    マイナス70℃   マイナス20℃

 

 

DNAワクチン

DNA型・ワクチンは、インドのザイダスカダィラ社、日本のタカラバイオ社、シオノギバイオファーマ社などが開発を進めているワクチンです。

新型コロナウィルスはRNA型ウィルスですので、これを転写した病原体のタンパク質をコードする「環状DNA(プラスミドDNA)」を筋肉注射して、体内で病原体タンパク質を生産させようとするものです。そのまま完全コピーなら、病気になってしまうので、肝心な新型コロナウィルスの遺伝子の中身を空にしたものを制作するのです。要するに、スパイク部分だけを転写したものを作り、これを筋肉注射するのです。

体内でDNAの指示により、病原体の非病原部(スパイク部分だけ)のタンパク質が合成され、そのタンパク質に対する免疫が作成され、疾患の予防や治療に寄与すると考えられているのです。

弱毒化したウィルスや無毒化したウィルスを使うよりも、病原性を全く持たないので安全であると言われています。

また、今迄のワクチンのように受精鶏卵や他の哺乳動物などを介さないので、製造上も安全であり、設備さえあれば、量産も可能になるはずです。

この方法は、人類史上、初めての試みです。

初めてであり、想定していない事態が起こるかもしれないので、認可には慎重にならざるを得ないかもしれません。食品の遺伝子組換え技術と同じような人工遺伝子が、人間にも応用されて行くのです。