松茸の菌根菌は、落葉や枯枝などが多いと木材腐朽菌が増殖して、絶えてしまうことが知られています。腐植物が多と菌根菌は木材腐朽菌との競争に負けてしまうようです。

 

同様に、肥料成分や腐植質が少なく、湿気のある岩場や砂地などには、藻や苔が発生しやすいようです。

ところが、ゴルフ場やサッカー場などでは、抗菌スペクトルの広い、持続力も長い殺菌剤を使った場所ほど、藻や苔が発生しやすいという現象が確認できます。

これは、藻や苔にとっても、フザリウムやピシウムやリゾクトニアなどの(人にとっての)病害菌が、藻や苔にとっても天敵である可能性が高い事を示唆しています。・・・植物よりも細胞壁が弱い小生物は、植物よりも被害が大きい可能性が高い・・・

 

殺菌剤のかからない池水に、藻や苔の胞子が浮いています。これらの水も、光のあたらない地下壕に貯水しておきますと、その水を使っても藻や苔の発生が見られません。(但し、この水を散水すると藻や苔の発生原因になります。)

このことからわかる事は、藻や苔の発芽にも一定の光量が必要であり、一定の期間があるということです。

 

また○○○○アップなどで雑草を枯らした裸地にも、その後に、藻や苔の発生が多い事に気付きます。

これは、○○○○アップの成分中のリン成分が、薬剤が土壌分解した後に、藻や苔の肥料として効いてしまっている可能性がある事を示唆しています。

 

このような実例を通して垣間みえて来るのは、残効性の高い肥料にも要注意である事、残効性の高い殺菌剤によって、(人にとっての)病害菌であるフザリウムやピシウムやリゾクトニアなどを「皆殺し」にしてはならないということです。

非病原性フザリウム、非病原性ピシウム、非病原性リゾクトニアetc.も、微生物フローラの観点から、人間の都合で自然界から壊滅させてはいけないのです。

 

バイオメンテナンスは、こうした非病原性の微生物と、微生物の分泌する酵素や補酵素を活用して、永続可能な循環型の芝草メンテナンスを目指すものです。(自然界の非病原性微生物とも共存共栄を目指しています。)