腐植物質の機能には、「植物養分供給能」「植物養分保持能」「植物生育促進能」「土壌の団粒形成能」などが知られています。
イネ科の幼植物試験で灰色低地土腐植酸がイネの根の成長を促進、マグネシウムの吸収を促進する。(松村ら2001)
イネの生育全期間を通して腐植酸を施用すると、生育が促進され、特に茎数の増加が著しい、根長、根重が増加すると報告されています。(長谷川・矢崎、1988)
腐植物質は、微生物が有機物を分解して行く過程で残ったものです。土壌や金属などと化学反応で出来上がり、化学構造が特定されていません。微生物により、これ以上分解され難いものです。ですから、究極の腐植物質は、ダイヤモンドや石炭、黒鉛(グラファイト)、無煙炭などになるのかも知れません。
有機物とは、炭素と酸素から構成されている物質です。蛋白質、脂質、炭水化物なども構成元素の過半数が炭素で出来ています。これ等も、微生物分解が進み、これ以上、微生物分解が進まないところになれば、腐植物質になるのです。