「植物天然色素」と題する小冊子をお送りしましたが、WEBサイトではこれを簡単にまとめておきましょう。

植物の色
植物の色は、植物がその色を反射しているから、人間の目には反射された色に見えるのです。
葉や花の色は、四種類の色素によって発現しています。
クロロフィル、カロチノイド、ベタレイン、フラボノイド、の四色素です。
それぞれ、分子構造は似通っています。
炭素の二重結合の、わずかな違いで様々な色を演出しています。
組み合わせで数千種類の色をブレンドして演出しています。

発色の仕組
炭素と炭素が二重結合すると紫外線を吸収します。共役二重結合を持つと、その数(長さ)に応じて、吸収する光の波長が長くなります。共役二重結合が5個以上になると紫外線だけでなく、青色の光も吸収するようになります。
更に共役二重結合が増えると緑色の光も吸収するようになります。
吸収された残りの光が反射をしますので、人間の目には、この反射光が色として認識されるのです。
共役二重結合が5個でフィトフルエン、7個でカロチン、9個でニューロスポレン、11個でリコペンと変化して行きますが、色も無色から淡黄色、橙黄色、赤色へと変化するのです。
生合成が進み両端に環が形成されると、共役二重結合を形成する電子の状態が変化し、短波長側へシフトします。
その結果、カロチノイドの色は橙色(β-カロチン、β-クリプトキサンチン)そして、黄色(キサントフィル)へと変化します。
芝草でお馴染のアントシアニンは、C環の酸素がオキソニウムカチオン構造(-H3O+)をとり、分子全体に共役二重結合が繋がり発色します。