じめじめした梅雨の季節もあと10日ほどで終わりになるでしょうか?
さて、本日は我々の身近にある酵母菌のお話などをしましょう。カビ大国の日本では、昔よりカビを利用して、健康維持を図って来ました。味噌(みそ)、醤油(しょうゆ)、日本酒、天然酢(てんねんず)、味醂(みりん)、鰹節(かつおぶし)、干柿(ほしがき)これらはカビの利用によって製造されています。ついでにカビ(酵母)とカビ以外の細菌の仲間である乳酸菌を利用した漬物(つけもの)。同様に、細菌(バチルス)を利用した納豆(なっとう)などもあります。
最近では、薬の製造や工業用にも幅広くカビが利用されて来ています。
利用されている主なカビを表にしました。
| 通 称 | 属 名 | 特 長 |
| アオカビ
コウジカビ |
アスペルギルス | 味噌、醤油、味醂、日本酒、天然酢、鰹節、干柿の製造に利用 |
| クモノスカビ | リゾーブス | アルコール、ブドウ糖の製造に利用 |
| ユミケカビ | アブシジア | 醤油製造に利用 |
| 紅コウジカビ | モナスクス | 紅酒の製造に利用 |
| ケカビ | ムコール | チーズの熟成に利用 |
| ツチアオカビ | トリコデルマ | セルラーゼの製造に利用 |
| ジベレラ | フザリウム | ジベレリンの製造に利用 |
| アオカビ | ペニシリウム | ペニシリンの製造に利用 |
但し、同じ属名でも種によっては有害なものもあり、種によって利用方法が異なる場合も多いのです。属名は大きな分類と思って下さい。
例えば、上表のうちアスペルギス属でも利用は分かれています。
| コウジカビ | アスペルギルス・オリゼー | 味噌、醤油、味醂、酢、日本酒 |
| アスペルギルス・ニガー | 有機酸、焼酎、酵素剤の製造に利用 | |
| アスペルギルス・グラウカス | 鰹節の製造に利用 |
ペニシリウムでは
| 青
カ ビ |
ペニシリウム・クリソゲナム | ペニシリンの製造に利用 |
| ペニシリウム・カマンベリテ | カマンベールチーズ製造に利用 | |
| ペニシリウム・ログエフルテ | ロックフォールチーズ製造に利用 | |
| ペニシリウム・シトリナム | ヌクレオチドの製造に利用 |
付け加えておきますと、カビ大国の日本では、植物の病気もカビによるものがほとんどです。また、その病原菌を抑えるのにもカビが有効に働きます。そこで、病原菌カビをより詳しく調べてみましょう。
カビは糸状菌と呼ばれ、形態によって鞭毛菌属、接合菌属、子嚢菌属、担子菌、不完全菌属に分けられます。この病原菌の属によって芝草の病気を分類致します。
| 属 名 | 病 原 菌 | 病 名 |
| 不完全菌属 | フザリウム | 雪腐れ病 |
| アスコチタ | 葉枯れ病 | |
| カーブラリア | 葉枯れ病 | |
| セプトリア | 葉枯れ病 | |
| フリカラリア | 葉枯れ病 | |
| ヘルミントスポリウム | 葉枯れ病 | |
| コレトトリカム | 炭疽病 | |
| グロエオセルコスポラ | カッパースポット | |
| フィロステクタ | 白葉病 | |
| 鞭毛菌属 | ピシウム | ピシウム・ブライト、綿腐れ病 |
| 子嚢菌亜門 | エリシヘ | うどんこ病 |
| スクレロチニア | ダラースポット、雪腐れ病、白絹病 | |
| オフィオボラス | オフィオボラス病 | |
| 担子菌 | リゾクトニア | リゾクトニア・ラージパッチ
ブラウンパッチ |
| タイフラ | 雪腐れ病 | |
| 担子菌亜門 | プッシニア | さび病 |

