地球上の生命の営みを、自然という環境の中で支えるシステムは、小学校の教科書には、「生産者」「消費者」「分解者」というピラミッド型の図で示されています。植物が生産者で、動物が消費者、細菌が分解者として大雑把に紹介されています。

そして、この関係は「食物連鎖」の図で捕捉されています。小さな動物が中くらいの動物に捕食され、それも大きな動物に食べられ、その頂点に人間が君臨しているのです。

 

中学生になると、より詳しく「植物の光合成」について学びます。

植物は、大気中の二酸化炭素を固定し、土壌から吸い上げたチッソを利用して、様々な有機物を作り出す過程を化学式で教わります。更に高学年になると、これらの基本的な代謝の仕組みで、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)という酵素が働いていることを学びます。また、植物の生産性は光合成能だけでなく、チッソ同化能にも依存していることや、葉緑体型PEPCは、光合成による二酸化炭素の固定とチッソの取込みという、生産性に密接に関わる酵素であることも学びます。

また、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)は、植物だけでなく、緑藻、細菌、原生動物などにも存在して、Mg2+或いはMn2+の存在下で働くこと、ホスホエノールピルビン酸と炭酸イオンから、オキサロ酢酸と無機リン酸を生じる反応を不可逆的に触媒することも学びます。この反応は下記のように示されています。

ピルビン酸合成 ホスホエノールピルビン酸+ADP→ピルビン酸+ADP
CH2-C(0PO32-)-COOH+ADP+H+-ピルビン酸キナーゼ→CH3-CO-COO+ATP
糖新生 オキサロ酢酸+GTP→ホスホエノールピルビン酸
HOOC-CH2-CO-COOH+GTP-PEPカルボキシラーゼ→CH2-C(P32-)-COOH+GDP+CO2