日本のゴルフ場では、近年になり、2月に入る前からグリーンがぼけたような色合いを見せます。近づいてみて、これがスズメノカタビラであることに気付きます。
ベントグラス、ライグラス、ブルーグラスなどの寒冷地型の芝(C3型芝)は、球の走りが良くなるのに比例して、球が沈んでいます。高麗芝のような暖地型の芝(C4型芝)は、芝草の上に球が浮いている状態で、打ちやすいけど、寒冷地型の洋芝は、しっかり打たないと飛びません。ここにスズメノカタビラが入り込んで来るのです。
近年、経費削減のあおりで「芝の○○回数削減」の資材が普及し、「未分解サッチ」が増加傾向にあります。ここにスプリンクラー散水が普及し、適切に管理できていない箇所が「土壌が多湿」となり、更に、「少量散布」の傾向で、葉面での栄養吸収力に優れるスズメノカタビラが旺盛を極めて来ているのです。
こうしたグリーンは、バミューダグラス(チャンピオンドワーフ、ウルトラドワーフ)でも見られ、「打つ力のほとばしるタイガー」が有利なのです。タイガーウッズは、「カタビラ(ポアナ芝)コース」に強いとされています。パブリック、トーリーパインズでは8回も優勝している。また、バミューダグラスのフロリダのベイヒルでも7回も優勝しています。
このような中で、スズメノカタビラを除草しベントグラスにはあなり薬害を示さない薬剤が開発されて来ました。「○○○カルブ」「○○○○二ナトリウム」「○○○○セート」などです。しかし、これらは2葉期までの施用しか効力が発揮されませんでした。
「2,3-○○○○ベンゾフラン誘導体」がその後に開発されましたが、ライグラスをはじめとして、ベントグラスにも一時的な「葉焼け」等々の薬害を発生することがあり、その普及には制限がありました。
ここにきて、「2,3-○○○○ベンゾフラン-5-○○○○ンスルホネート」を有効成分とするもの、「1-(4,6-○○○○シピリミジン-2-イル)-3-【2-(○○○○カルバモイル)-5-○○○○ミドフェニルスルホニル】尿素を有効成分とする薬剤などが開発されて来ていますが、後者はベントグラス、ブルーグラス、ライグラスでは薬害が生じます。
しかし、いずれにしても、ブルーグラスには使える薬剤はありません。
ここで、スズメノカタビラをトコトン抑制しながら、共存させるメンテナンス方法が注目を集めて来ています。