前回の投稿では「マイクロバイオーム」という概念を紹介しましたが。今回より複数回に亘り微生物の話を掲載してまいります。今回はその第1回目です。

微生物とは、肉眼で観察しにくい小さな生物のことを指します。大きさから並べて行きますと、アメーバーのような原生動物、カビ、細菌、ウィルスと順に小さくなって行きます。このうち光学顕微鏡で捉えられるのは、800~1000倍までで、ウィルスは電子顕微鏡を使わないと判別できません。

これらの微生物を、更に分類して行きますと、三つのグループに分けられます。

完全生物ではないもの ウィルス、プリオン、etc.

 

原核生物 細菌(ビブリオ、サルモネラ、バチルス、セラチア、

ラクトバチルス、シュードモナス、etc.)

藍藻類(シアノバクテリア)(アオコ1、スピルリナ、ユレモ、etc.

 

真核生物 原生動物(アメーバー、ミドリムシ、etc.)
単細胞・緑藻類(ドナリエラ、クロレラ、etc.)
菌類 真菌類(きのこ、酵母、麹菌、カビ)
粘菌類(ホコリカビ、etc.)

注1 ; アオミドロは緑藻類、アオコは藍藻類です。

非常に大雑把に考えると、細菌も菌類も分解が主な仕事です。地球上で作り出された植物や動物を分解して元に戻す作業は、非常に大切な仕事であり、これがないと地球は枯れ木や動物の死骸の山となってしまいます。細菌や菌類は、この自然循環の要であります。特に、カビ類は「分解屋さん」であり、地球の「掃除屋さん」であります。が、時には「生きている物まで、分解しにかかり」これが困ります。しかし、逆に植物も人間も大変お世話にもなっています。

人は「善玉菌」「悪玉菌」などと区別していますが、菌に悪玉も善玉もありません。それは人にとって「都合が良いか」「都合が悪いか」という人の勝手、ご都合主義の判断だけなのです。

また、地球上に人類が現われる遥か昔に、藻類にカビがとりついて「藻が作る栄養を横取り」してカビが増え、カビの菌糸により「藻は結合」して「原始的相互扶助」により、生活共同体が構成され、これが苔の前身である「地衣類」の発生と言われています。

この地衣類が「植物の祖先」と考えられていて、5億年前の頃ととされています。

次回もお楽しみに。