細胞壁・分解菌には、病原性が強いものがあります。「生きている細胞」まで分解・侵蝕してしまうので病原性と呼ばれているのです。

フザリウム、ピシウム、リゾクトニアなどがこれにあたります。

 

ところが近年、これらの微生物が自然循環の基盤をなしていることから、農薬防除以外の物理的防除、生物学的防除、耕種的防除という総合的病害管理(Integrated Pest Management)へと変換が為されて来ています。

 

(バイオメンテナンスは、生物学的防除として有用微生物群と酵素と補酵素を主体として芝草管理に生かそうとしています。)

 

とある著名な米国内IPM導入(芝草)施設管理者も、非病原性のフザリウム、ピシウム、リゾクトニアなどは、自然循環に非常に大切な微生物群であり、一網打尽に全部の菌を殺してしまう「より安価で」「抗菌スペクトルの広い」「持続性の長い」という殺菌剤には警鐘を鳴らしています。

・・・結果として、大変に高価についてしまうからです。・・・

人間の病気でも、いきなり一網打尽に全部の菌を殺してしまう「より安価で」「抗菌スペクトルの広い」「持続性の長い」というような投薬をする医師はおりません。

 

生物防除エージェント(Biological Control Agent)では、従来の微生物農薬に加えて「非病原性フザリウム」や「非病原性ピシウム」などが脚光を浴びています。例えば、

非病原性フザリウム「Non-Pathogenic strains     Fusarium Oxysporum」として登録されています。

非病原性ピシウムとしては、ピシウム・オリガンドラム(Pythium Oligandrum)、ピシウム・ナン(Pythium Nunn)などが申請されています。

 

ピシウム属菌は、世界で150種以上、日本でも50種が報告されています。

世界的な潮流として、

病原性のピシウムだけでなく、非病原性のピシウムにも脚光が浴びています。