次世代シークエンサーの普及で、病気の診断、治療、創薬だけでなく、政治や経済の面でも「新たな時代」へと突入をし始めています。
新型コロナウィルスの感染拡大で、「PCR検査」などという専門用語が一般に認識されてきましたので、とても理解されやすくなりました。しかし、「PCR検査」自体に不確定要素が多すぎる事、その他検査方法の問題点まで把握している人が少ないのも確かなことです。
DNAシークエンシングから説明を致します。
DNAは、生物の遺伝情報のほとんどを担う分子です。その分子の「塩基配列」が暗号となって符号化されています。DNAシークエンシング(DNAsequencing)とは、このDNAを構成するヌクレオチドの結合順序(塩基配列)を決定することなのです。
DNAを構成している四つの塩基「アデニン」「グアニン」「シトシン」「チミン」の「長さ」の違いに着目して、配列を調べるのです。・・・アデニン(A)6,7,8,10,13,
グアニン(G)1,5,12, シトシン(C)3,9 チミン(T)2,4,11,14,15・・・
ギルバート法は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって放射性同位体で標識したDNA断片を分離し、DNA断片中の特定の塩基を試薬により装飾する方法で、試薬を様々に組み合わせて、特定の塩基で切断された様々な長さのDNA断片を得、全体の塩基配列を判別して行く方法です。
サンガー法は、DNA複製酵素のDNAポリメラーゼで、末端が特定の塩基に反応するDNAを合成し、全体の配列を読んでいましたが、途中から「4種類の塩基(停止ヌクレオチド)に対応する波長の異なる蛍光色素で標識する方法」を導入し、飛躍的に効率が改善されました。
PCR(Polymerase Chain Reaction)検査は、文字通り「ポリメラーゼ連鎖反応」のことで、特定のDNAの塩基の断片(プライマー)を増幅し、試験管の中で増殖させて塩基配列を確認する方法です。これに蛍光試薬を加えて「特定の塩基配列」を蛍光識別する「リアルタイムPCR法」が導入されて来ています。