近年の分子系統學的研究の成果は、無性生殖(アナモルフ)だけで有性生殖(テレオモルフ)の確認がとれていない「不完全菌類」と分類されていたものを再分類、また、鞭毛を形成するものの中でもツボカビ類が菌類、サカゲツボカビ類とミズカビ類(卵菌類:ピシウム)が菌類ではなく褐藻に近い仲間であることを発見しています。更に、粘菌類の中の網状性粘菌(ラピリンチュラ類)も褐藻に近い仲間であることを発見しています。・・・この為、「サカゲツボカビ類」は「サカゲツボカビ類」、ミズカビ類と粘菌類は「偽菌類」と表示されるようになりました。・・・
病名 | 分類 | 病原菌名 | 発育温度 | ||
最低 | 適温 | 最高 | |||
雪ぐされ病 | 担子菌
担子菌 担子菌 担子菌 担子菌 |
タイフラ ishikariensis | -7 | 5 | 26 |
雪ぐされ病 | タイフラ incarnata | -7 | 10 | 27 | |
ラージパッチ | リゾクトニアAG2-2LP | 3 | 20~25 | 30 | |
ブラウンパッチ | リゾクトニAG2-2ⅢB AG1-1A,B | 5 | 24~28 | 32 | |
さび病 | プッシニア ウロマイセス | 15 | 20~25 | 30 | |
雪ぐされ病 | 子嚢菌
子嚢菌 子嚢菌 子嚢菌 子嚢菌 子嚢菌 子嚢菌 |
スクレロティニア borealis | -5 | -2 | 5 |
葉枯れ病 | カーブラリア | 3 | 25~28 | 35 | |
葉枯れ病 | ヘルミントスポリウム | 3 | 25~28 | 35 | |
ダラースポット | スクレロッチニア homoeocarpa | 5 | 20~29 | 30 | |
白葉病 | フィロスティクタ | 10 | 25~27 | 30 | |
炭疽病 | コレトトリカム graminicolum | 26~29 | |||
カッパースポット | グレオセレスポラ sorghi | 28~30 | |||
雪ぐされ病 | 偽菌類
偽菌類 偽菌類 |
ピシウム | 5 | 30~35 | 40 |
綿腐病 | ピシウム ultimum | 5 | 30~35 | 40 | |
ピシウムブライト | ピシウム aphanidermatum | 10 | 29~34 | 40 |
近年、猛暑の夏が続いており、「藻」や「苔」の発生が多いことと、「偽菌類」が「藻」に近い発見は、今後の芝草管理に参考になることかと思います。
サッチコントロールの必要さが、より鮮明に、「水管理」「散水管理」の重要さが再認識されたように思います。