酵素の中心に金属イオンが配置され、錯体の形をしています。酵素作用の機作を知る上で直接的なヒントを与えてくれます。・・・その電子状態、旋光性などの物理的な知見が得られやすいのです。・・・
金属酵素の主な分子生物学的な機能は、「酸化還元」と「加水分解」と思われます。
「酸化還元」の機能を持つ酵素群としては「フェノラーゼ」「シトクロム群」などがあげられます。
「加水分解」の機能を持つ酵素群としては、「カルボキシペプチターゼ」などがあります。
金属イオンと酵素
アエン(Zn2+) | アルコールデヒドロゲナーゼ
カルボキシペプチダーゼ |
マグネシウム(Mg2+) | ホスホヒドロラーゼ類 |
マンガン(Mn2+) | アルギナーゼ
ホスホトランスフェラーゼ類 |
鉄(Fe2+)(Fe3+) | シトクロム類
ペルオキシダーゼ カタラーゼ フェレドキシン |
銅(Cu+)(Cu2+) | チロシナーゼ |
カリウム(K+) | ピルバートホスホキナーゼ |
参考文献 森北出版「化学辞典(第2版)」