ゴルフ場セミナー2014年8月号P122~P123に「有機物管理とサッチの新研究」と題した記事が掲載されています。
記事の中で、筆者はアメリカの状況として「サッチの分解剤」などの研究はなされていないし、筆者自身も資材を使用した経験もない、と記述しています。その上、研究事例として挙げられているものも陳腐な事例ばかりでした。
この記事を読んで激怒しない日本人は、よほどの「お人よし」です。
アメリカ発の「ブッシュ政権のバイオエタノール戦略」が、如何に世界中の穀物市場を破壊し、幾多の低開発国の人たちが、塗炭の苦しみを与えられたか。
イラク戦争の泥沼化の中で、中東に対する軍事外交戦略の一つとして、脱石油戦略として打ち出した「バイオエタノール政策」により、ファンドマネーが穀物価格を天井しらずに押し上げ、灯油も小麦もトウモロコシも貧乏人の口に入らなくなったのも記憶に新しい事実です。
当時、話題になった微生物の一つが「白色腐朽菌ファネロケーテ属」で、その酵素が「ラッカーゼ」です。日本でも多くの識者により試験がなされて、数々の特許申請もなされています。思い出して下さい。
アメリカで研究されていないなど、信用してはいけません。「バイオエタノール」を言い出したのも、最先端で研究していたのもアメリカです。
ついでに、これらの研究は、石油代替の「バイオエタノール」であり、ソフトランディング策として「地球温暖化・二酸化炭素説」が生まれて来ています。但し、それらは決して「芝草(サッチ)の分解」研究ではありません。
現在は、単価の安い「シェールガス」におされ、「バイオエタノール」の研究は,頓挫しています。また、これ以上に石油価格が高騰すれば、「メタンハイドレード」の開発が進むでしょう。それ以上に単価の高いエネルギー源は、「地球温暖化説」でそれらを抑え込む戦略しかありません。世界戦略は、このように仕組まれているのです。
次回は、肝心の「ラッカーゼ」について、お話します。こちらは、専門的な話になりますので、関心の無い方は読み飛ばしてください。