「真菌」の仲間には、「きのこ」「麹菌」「酵母」なども入っています。

このうち、「菌糸」を出す物を「糸状菌」と呼んでいます。しかし、分類学的には、糸状菌が、「真菌」と「変形菌」に分けられ、その「真菌」が、子嚢菌、担子菌、ツボカビ菌、接合菌などに分けられています。

植物病原菌は、圧倒的に「子嚢菌門」と「担子菌門」が多く、ツボカビ門は、ジャガイモの癌腫病、接合菌門にはコウガイケカビ病など数少ないのが現状です。

子嚢菌門には、いもち病、うどん粉病、灰色カビ病、植物炭疽病などの病原菌があり、

担子菌門には、サビ病や黒穂病などの他に、藻類と関係の深い卵菌類のピシウムなどがあります。また、学術的な分類ではありませんが、不完全世代で把握されている、フザリウム、リゾクトニア、カーブラリア、ヘルミントスポリウムなども含まれています。

作用機序

「真菌」の細胞壁は、マンナン蛋白、β-(1,6)-グルカン、β-(1,3)-グルカン、キチン、細胞膜のリン脂質でできています。また、細胞質内でエルゴステロールが作られ、細胞膜に移動します。この時、エルゴステロール合成経路が必要であり、合成酵素14αデメチラーゼが必要となります。真菌の抗菌作用は、以下の四系統に分けられます。

1 ポリエン系 エルゴステロールに結合して膜を不安定化する
2 アゾール系 14αデメチラーゼの阻害
3 エキノキャンディン系 細胞膜のグルカン合成酵素を阻害
4 フルオロピリミジン系 核内のDNA合成を阻害