アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーは、「免疫バランス」の乱れであることが分かって来ています。

 

私たちの体は、「免疫力」によって守られています。この「免疫力」というのは、体内の「免疫細胞」≒「ヘルパーT細胞」、略して「Th細胞」によって行われているのです。

 

「免疫細胞」のひとつである「ヘルパーT細胞」は、細菌やウィルスを担当する「Th1細胞」と、ダニや花粉やカビを担当する「Th2細胞」とがあります。この「Th1」と「Th2」とのバランスが崩れると、一方の「過剰反応」が起きてしまうのです。

 

「Th2細胞」などによって生産されるインターロイキン-4により、抗原に出会っていないナイーブE細胞まで刺激されて「免疫グロブリンE」の生産が亢進されてしまうのです。

 

「免疫グロブリンE」(IgE)は、哺乳動物のみ存在する「糖タンパク質」です。この分子は、2つの重鎖と軽鎖で構成され、ジスルフィド結合(-S-S)で結びつき、Y字型の複合体として存在していて、そのY字の上部が「抗原結合部位」となっているのです。

 

体内に「異物(抗原)」進入と認知されてしまうと、ヒスタミンが放出されてしまうのです。

 

こうして、過剰防衛反応が起きてしまったものが、アトピーや花粉症や食物アレルギーなのです。

 

一連の反応を見て来ると「微生物同志の抗争」が、人体内でも引継がれて来ているように思えます。侵入経路やアレルゲンの種類によって、違って見えるアレルギー反応も基本は、微生物の出す「酵素反応」と同じなのです。

 

そこで、腸内菌の種類、そして腸内菌の分泌酵素が関与して来るのです。

 

微生物を増やすのには、その住処と食物を補給しなくてはなりません。

 

その住処となるのが「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」です。水溶性食物繊維は、蒟蒻のマンナン、果物のペクチンなど、不溶性の食物繊維は、ゴボウ、大根、キャベツなどのセルロース、ヘミセルロース、イヌリンなどです。

 

食物繊維自体も微生物の食物となりますが、増殖に役立つのは「糖分」です。オリゴ糖は、分解しにくいけど善玉菌の食物になるというだけで、全体としては「単糖類」「二糖類」の方が増殖に向いています。