ウィルスは、生物にとって、とことん「単純化」「純正化」された部品のようなもので、逆に他への転用ができにくくなっています。
ですから
「細菌用ウィルス」(細菌に感染が成立するウィルス)、同様に
「かび用ウィルス」はたまた「ウィルス用ウィルス」まであります。
勿論「陸植物用ウィルス」「海中生物用ウィルス」から、動物用でも「鳥用ウィルス」「爬虫類用ウィルス」「両生類用ウィルス」「魚類用ウィルス」「昆虫用ウィルス」「哺乳動物用ウィルス」と細かく細分化専用化されています。
国際ウィルス分類委員会の分類でも、現時点で3万種以上が見出されています。
「鳥類用ウィルス」「哺乳類用ウィルス」だけでも650種以上が確認されています。
更に、1種のウィルスが何百、何千の沢山のタイプに分類されているのです。
私達は、生まれてからウィルスの中で生活をしていて、アメリカの国立衛生研究所の調査でも、平均的にアメリカ人のウィルス感染が、一生の間に200回以上に上るとの報告があります。ほとんど「感染したことに気付かない」というものです。
ウィルスは本来は生物の「共生体」とも言えますが、種族間を越えて感染した場合、寄主生物の体に馴染むまで変異を続けます。これが「病気を引き起こす」主な原因の様です。
このような事から、「種族間を越えて摂食」という行為は、「病気を引き起こす原因」とされています。特に、「遺伝子的に近い動物」を遺伝子を不活性化せずに食べることにより、「動物のウィルス」が人間に感染するように変異してしまいます。狂牛病の発生の発生原因とされる異常プリオンについても、近似の現象と言えるかもしれません。
また、動物と生活を共にすることで危険が加速します。例えば、「狂犬病」などのウィルスは人間にも脅威となっています。また「天然痘」なども紀元前から人類の脅威となっています。
ウィルスが初めて分離されたのは、19世紀の終わりであり、研究が浅いのです。
ウィルスは、病原体として捉えられていますが、分子生物学の発展により「遺伝子そのもの」であり、人間を含めた地球上の生物に「その仕組みが同一」「遺伝子暗号コドンが共通」ということが分かり、人間の存在そのものと極めて密接な関係があることが分かって来ています。
そして、この原理を応用して「人工アミノ酸」「人工タンパク質」が造られて来ています。人類の未来もウィルスと共にある、とも言えるのではないでしょうか。