シェールガス採掘と地震誘発

豪雨と地震の関係があるとするならば、シェールガスの採掘が地震につながるかもしれないと、気付く人も多いでしょう。

シェールガスやシェールオイルというのは、頁岩とよばれる「シルトや粘土の堆積岩」に覆われた油田から取り出した「天然ガス」「石油」のことを言います。頁岩(けつがん)は、泥土が積重なって固まったもので、非常にもろく、崩れやすいのです。
従って、埋蔵されていても取出せなかったのですが、①水平掘りの技法、②水圧破砕法、③マイクロサイズミックス法、この三つの技術改革により採掘ができるようになったのです。
具体的には、ドリルで地下2,000m~3,000m程度のシェール層に届く縦穴を掘り、シェール層からは、シェールガス層に沿って、今度は水平に直径2m~3mの横穴を1Km~2Km程度掘り進め、この横穴に500気圧~1,000気圧の水圧をかけて「水を注入」する。この時に、50m~100m間隔で均等に圧がかかるようにする。この時の「水」は真水でなく、「水90%+プロパント9.5%+数百種類の化学物質0.5%」という化合水を使います。プロパントという砂粒状の物質が、シェール層に微妙な隙間を与え、シェールガスのメタン分子の流出道を確保しているのです。

ガンマー線量と有機物含量が比例することを利用して、シェールガス、シェールオイルの埋蔵量を特定して採掘にかかりますが、①水質汚染リスク、②大気汚染リスク、③地震誘発リスクが叫ばれているのです。

当初は、どんなに深く掘削しても、せいぜい3,000m~4,000mであり、断層の隙間に水が流れ込んでも「地盤の横滑り」や深層10,000m~30,000mの浅層地震マグマへの影響は無いと考えられていました。
ところが、現実には高圧戻し水の「注入水量」「注入期間」によって、人工地震に程度の差があり、地震誘発されている調査と実験結果が次々と報告され出したのです。
すると、今度は「巨大ダム」に関わる「貯水量と地震」の報告がされ出したのです。
ここでも、「シェールガス採掘で地震が起きる」「水力発電ダムで地震が起きる」ということは無いのです。地震が、そうした条件下で起きているという事実なのです。
必要条件と必要十分条件とは違うのですよ。お間違え無く。