鶏卵は、卵殻、卵白、卵黄から構成されています。その重量比率はおおよそ1:6:3です。

 

卵の最外部は「クチクラ層」と呼ばれる、厚さ10μm程度の主に蛋白質でできた脆弱な層で守られていますが、簡単な洗浄や摩擦で壊れてしまいます。

 

卵殻は炭酸カルシウムが主体で、わずかにリン酸カルシウムを含有した、多孔質の殻であり、外部より酸素を取り込み、胚の呼吸によって生じる二酸化炭素を放出できるようになっています。要するに卵は「呼吸」ができるようになっているのです。卵殻の内側には、外界からの侵入を防ぐために、更に卵殻膜とよばれる薄膜で守られています。

卵殻膜は厚さ70μm程度の膜で、脂質や糖質も若干含んでいます。蛋白質繊維で格子状に編まれています。この膜層が50μm厚よりなる膜を6層にした「外卵殻膜」と、20μm厚よりなる膜を3層より成る「内卵殻膜」とに分かれていて、厳重な重層を成しているのです。

 

卵の中に入ると、卵白があります。これは微生物の侵入を防いでいます。粘度の低い水溶性卵白があり、更に粘度の高い濃厚蛋白があります。二段階で微生物の侵入を防いでいるのです

 

更に進むと「卵黄膜」があります。ここは水分も通しません。卵黄膜外層は厚さ3~8.5μmの格子状の繊維でできています。卵黄膜内膜は20~60も太い繊維で構成されています。この中間には、厚さ00.5~0.5μmの顆粒状蛋白の層があります。

 

そして、やっと卵黄に届きます。卵黄は紐状の卵帯(カラザ)によって卵の中心に固定されています。・・・・「カラザ」は、「殻座」とか「殻鎖」とか書いてる書物もありますが、本当はギリシア語です。「charaza」が語源、霰(あられ)の意味のようです。・・・・

卵黄は、「卵黄球」と呼ばれる粒状の栄養素が詰まっています。脂質と蛋白質の複合体のリポタンパクが多く、胚盤成長時の栄養供給減原となります。

卵黄の中心部には「ラテブラ」と呼ばれる組織があります。加熱しても固まり難い性質を持っています。その横に「胚」があるのです。