プロテアーゼの2分類

プロティナーゼ

(エンドペプチダーゼ)

タンパク質の内部ペプチド結合を加水分解する酵素、高分子タンパクに作用して、急速な低分子化を引き起こし、蛋白をペプトン化します。

トリプシン、キモトリプシン、サブチリシン、パパイン、エラスターゼなどがあります。

ペプチターゼ

(エキソペプチダーゼ)

ペプチド鎖の末端から加水分解する酵素で、カルボキシの末端から徐々に、ペプチド結合を分解する酵素です。

①基質のN末端から1残基ずつ切断するものを「アミノペプチダーゼ」と呼ぶ。

②基質のC末端から1残基ずつ切離するものを「カルボキシペプチダーゼ」呼ぶ

 

プロテアーゼの活性構造からの4分類

アスパルティックプロティナーゼ 活性中心にアスパラギン酸残基とアスパラギン酸のカルボン酸が関与し、ペプシン、アスペルスギルスニガー起源の酸性プロテアーゼなどがある。
金属プロティナーゼ 金属(亜鉛)が触媒作用に関連しているプロティナーゼで、バチルスサブチルス起源の中性プロテアーゼなどがある。
セリンプロティナーゼ 活性中心にセリン残基を持つプロティナーゼで、トリプシン、キモトリプシン、バチルスサブチルス起源のアルカリ性プロテアーゼなどがある。
チオールプロティナーゼ 活性中心にSH基を持つプロティナーゼで、パパイン、フィシン、ブロメラインなどがある。

 

プロテアーゼの触媒残基に基づく7分類

セリンプロテアーゼ セリンアルコールを使用。
システィンプロテアーゼ システィンチオールを使用。
スレオニンプロテアーゼ スレオニン二級アルコールを使用。
アスパラギン酸プロテアーゼ アスパラギン酸カルボン酸を使用。
グルタミン酸プロテアーゼ グルタミン酸カルボン酸を使用。
メタロプロテアーゼ 金属(亜鉛)を使用。
アスパラギンペプチドリアーゼ アスパラギンを使用。

 

タンパク質は分解に何百年もかかります。これを触媒作用により短時間に達成できます。この触媒作用を担っているのが「プロテアーゼ」です。この仕組みは「ウィルス」や「古細菌」にもみられ、植物や動物の遺伝子に取込まれてきたものと思われます。更に、この仕組みは独立して進化しており、異なるクラスのプロテアーゼが、異なる触媒機構により、同じような反応が行われています。