腸内フローラの配分

善玉菌 悪玉菌 日和見菌
アクチノバクテリア門 プロテオバクテリア門 ファーミキューデス門    バクテロイデス門
(デブ菌) (やせ菌)
コリネバクテリウム属

ストレプトミセス属

アセトバクター属

シュードモナス属

ビブリオ属    他

バチルス属

ラクトバチルス属

バクテロイデス属

プレボテラ属

  約20%     約10%                  約70%
  • 上記の善玉菌、悪玉菌、日和見菌や、デブ菌、痩せ菌などの表現は適切ではありません。便宜上の使用です。

 

腸内免疫系はバクテロイデスが主体

 

動物は、食べ物を消化して栄養を得ています。食べ物と一緒に、有害物や細菌、ウィルスなども摂取してしまいます。

この為、これらの防御機構として胃腸(腸内微生物)が「生体にとって最大の免疫系」を備えています。即ち、感染防止やアレルギー反応の制御にも、重要な役割を担っているのです。

腸内菌叢の中でも、取分け「バクテロイデス属」が主体となって免疫系を担っているようです。

バクテロイデス属は、腸管免疫系に対して、免疫修飾作用を持ち、小腸バイエル板細胞に対し、腸管粘膜固有層でのIgA産生誘導能を持っているようです。

バクテロイデス属の菌体成分、或いは分泌酵素による免疫修飾作用により、抗原提示細胞に作用し、T細胞応答の活性化や炎症反応の抑制がなされていると考えられているのです。

なかでも、タンパク質分解酵素に注目が集まっています。この種類とタンパク質の分子の大きさが様々な反応を引き起こして来るのです。偏性嫌気性細菌と通性嫌気性細菌の違い、ラクトバチルス属よりも免疫性が強いバクテロイデス属などの説明もつきやすいのです。

そして、これらがタンパク質分解酵素のプロテアーゼの種類(システィン残基)のジスルフィド結合が「還元型」になるか「酸化型」になるかで、腸内細菌の細胞内プロテアーゼが活性化されるか抑制されるかが決まります。プロテアーゼ活性が過剰に発現すると、細胞内の正常なタンパク質まで分解してしまいます。これを調節する機構です。(例えば、インスリンなどもタンパク質でできています。インスリンは、多くても少なくても「血糖」の調節ができなくなります。)

ご存じのように人体では、脂肪分解にリパーゼ、炭水化物分解にアミラーゼ、そしてタンパク質分解にプロテアーゼが分解酵素として知られています。胃液の中の消化酵素「ペプシン」にもプロテアーゼが含まれています。そして、更にタンパク質を分解する腸内酵素が「トリプシン」「キモトリプシン」です。これらは膵臓で合成されています。この「トリプシン」にも「キモトリプシン」にもプロテアーゼが含まれています。

人体の出す「消化酵素の働き」は食べ物に大きく変わって来ます。同様に「腸内細菌叢」も食べ物によって変わって来ます。

何を食べたら「免疫系」が活性されるかが、解明されて来ているのです。

同時に、「食物による新型コロナウィルスと免疫の関係」も解明されつつあるのです。