梅雨は微雨が語源で、黴(カビ)が生えやすい時期を指していました。

中国でも梅雨(メイユウ)と言います。北海道と小笠原地方を除く日本、朝鮮半島南部、中国南部から長江流域にかけての沿岸部、台湾、東アジアの広範囲に見られる特有の気象現象で5月から7月にかけての「雨の多い期間」を指しています。

立春から数えて88夜が「新茶の摘採日」で、更に27日後の135日目が「太陽が黄経(こうけい)80度の点を通過する日」であり、これが「梅雨入り」の暦上の意味です。芒種の一番近づく、最初の「壬(みずのえ)**」の日を「梅雨明け」としていた時期もありました。暦上の日であり、観測上の日ではありませんでした。

梅雨期は、大雨により災害と、地震が多発する時期です。
筆者は、大雨による水分の浸透圧が「地球表層10km~20Kmの震源地」を誘発するという説を主張しています。これは、電子レンジと同じ原理で、水分子が振動させられることにより発熱、水際地域やダム近くの深部にマグマが新たに発生するというものです。

「梅雨期の降水量」は、後の盛夏期に必要な農業用水を蓄えることにつながり、夏越えの芝草管理にも重要な意味を持っています。

平成29年の「梅雨入り」は、沖縄・奄美で5月13日頃、九州南部で6月6日頃、東北北部が6月21日頃で、東海甲信越が平年より1日早く、その他の地域では1日から9日遅くなっています。

気象庁の予測では、関東の梅雨明けは7月15日から25日くらいになると報じられています。例年より少し「長期化」して、降雨量も多くなりそうです。しかし、梅雨入り前の降雨量が、平年の30%程度であり、水不足が解消するか微妙なところです。

今年の夏は、既に5月の時点で南高北低の気圧配置となり南から暖かい空気が流れ込み、全国的に気温が上昇、先々月の5月30日には30℃を超える真夏日を記録した地点が275地点という暑さがあり、全国的に「過酷な夏」が予想されます。また、梅雨期間の雨量に関しては西日本は平年より多く、東日本と東北は平年並みかやや多いと予想されています。

雨量に関しては、台風頼みの様相が予測されています。

芒種(ぼうしゅ)
6月6日頃(2017年は6月5日)。および夏至までの期間。太陽黄径75度。小満から数えて15日目頃。芒(のぎ)のある穀物や稲や麦など穂の出る穀物の種をまく季節ということから、芒種と言われています(実際の種まきは、これよりも早い時季に行います)。

**壬(じん、みずのえ)
十干の9番目である。陰陽五行説では水性の陽に割り当てられており、ここから日本では「みずのえ」(水の兄)ともいう。

壬の字は「妊」につながり、植物の内部に種子が生まれた状態として、9番目に宛てられた。

西暦年の下一桁が2の年が壬の年となる。