前述のように、植物には動物にみられない「ウイロイド」というウィルスよりも小さな病原体があります。80~125×103程度の低分子です。ウイロイドは環状1本鎖のRNAであり、外被タンパク質を持っていません。グリシンとシトシンの割合が多く、53%~60%を占めています。内部で塩基対を形成して2本鎖となり、長さ50nm程度の棒状あるいは擬棒状の構造をとっています。

感染すると病状を表しますが、病徴を表さないで場合もあります。

病徴は一般的に「高温や強光環境下で強くなる」ということが知られています。

 

植物の病原ウィルスは80%以上がRNA型です。

地球上の生命は、ことごとく「DNAを設計図」として再生しています。その設計図を具現化する時に、「RNAに転写」することも知られています。

ウィルスは、ここに着目して生物に侵入してウィルスの目的を達しようとします。

 

 

 

 

ジーンサイレンシング

 

DNA情報を変化なく伝え、こうしたウィルスの戦略をも阻止しようとする機構が「ジーンサイレンシング」とよばれる防御機構です。

植物は、DNA型ウィルスに対しては、ほぼ完全にシャットアウトしているかのようです。(DNAが転写されてRNAができる段階で、転写が阻害される。)

RNA型ウィルスに対しても、DNA情報がRNAに転写後に、特定のRNAが分解されて、その遺伝子機能を失わせる機能が働きます。

そとから「遺伝子情報が持ち込まれた時」には、転写を行う機能を持つ「プロモーター配列」が「メチル化という装飾」を受けなくてはなりませんが、それを阻止する機能です。メチル化のたんぱく質の結合を阻害するのです。

これらの機構が解明され、人体に応用できれば、人類もウィルスの脅威から解放されるはずです。