3月3日は桃の節句です。

ひな祭りは女の子のための行事。女児の初節句にはひな人形を用意し、健やかな成長と幸せを願いながらお祝いをします。
そもそも、日本には平安時代を起源とする「五節句」という行事があり、季節の節目に身の穢れを祓い、健康長寿や厄除けを願う風習があったようです。
人形生産の歴史が約380年と長い埼玉県鴻巣市では、雛人形を巨大なピラミッドに飾り付けて展示する「鴻巣びっくりひな祭り」が毎年開催されています。メイン会場となっているエルミ鴻巣ショッピングモールには、日本一高いピラミッドひな壇が登場し、なんと飾られる人形は約1800体といいますからさぞかし壮観なことでしょう。

ところでテレビでは毎日のように女性の美と健康を維持、増進するためのコマーシャルが流されていますね。これら商品群の中に「グルコサミン」があります。
グルコサミンとは一体どんな成分なのか、それがなぜ関節痛の予防や緩和に効果的だと言われているのでしょうか?

良く錯覚することですが、生体の代謝に必要な成分が入っている食品が、直に効果があるわけではありません。栄養価とか必須成分が入っていても、人体に「そのままの形で吸収されるか」ということと、「体内で有効に働いているか」ということは、別の次元の問題なのです。・・・・ほとんどの成分は、胃や腸の消化酵素により、「分解されて」吸収されます。・・・・また、体内に入ってからも、多くは必要な成分は体内で合成されるものが多く、直接的に利用されるものは少ないのです。

植物でも、肥料に配合されている成分が、吸収が良い成分か否か、吸収後、有効に働いているか否かは別の問題です。チッソ成分を吸収すると、葉は色を濃くして光の受容を高めます。これは、チッソが効くのでなく、植物にとって養分の細胞間移動はアミノ酸として効くのであって、チッソからアミノ酸への転換に「光」が必要な為の反応です。・・・ですから、「葉色が濃くなる」というのは、葉の途中の反応に過ぎないのです。・・・本当にチッソが効くのは、アミノ酸として効くのです。・・・・日照が必要なのです。

グルコース(ぶどう糖)は、植物が「澱粉」として貯え、動物が「グリコーゲン」として蓄えます。「一粒で100m」の宣伝をしている「グリコ」は、この名前に由来して命名されています。この「糖」に「アミノ酸」が結合したものが「ムコ多糖体」とよばれている「グルコサミン」なのです。この他にも、グルコサミンには蛋白質と結合した「糖蛋白」や、脂肪と結合した「糖脂質」もあります。キチン質も仲間に入れられます。

そこで、そんなに重要なのかと思って、「グルコサミン」を摂取しても、乾燥肌の改善効果なし、美肌効果なし、関節に良い効果なし、と厚生労働省所轄独立法人・国立健康・栄養研究所が有効性疑問の情報を喚起しています。

確かにグルコサミン経路の活性亢進はグリコーゲン合成に影響を与えますが、グルコサミンを摂取しても、直接的には働かないということです。ですから、医薬品として認定されていないのです。有効に働かせる為には、何かが不足しているのかもしれません。研究、解明が待たれるところです。