反芻動物だけでなく、人間も腸内菌と共生関係にあります。・・・更に言うなら、ウィルスとも共生関係にあります。・・・
人間の腸内には、1000兆近くの細菌がいると言われています。胃や十二指腸では、消化液が多く1gあたり1万個以下ですが、小腸では1gあたり1000万個以上の細菌がいます。盲腸から大腸に至ると酸欠状態になるので、偏性嫌気性細菌が多くなり、1gあたり1000億個にもなります。大腸には更に多くの細菌が棲息しています。
免疫機能の70%は腸に集まっている
外部から栄養分を摂取する腸には、外敵から身を守る為に「腸管免疫機能」が備わっています。
外敵の多くは強力な胃酸によって死滅します。しかし、それでも死なない細菌は腸壁にある「パイエル板」によって取り囲まれ、樹状細胞、T細胞、B細胞などの免疫細胞によって排除されます。腸壁から抗体「免疫グロブリンA」(IgA)を出して排除します。
このようなことから、どのような腸内菌を持っているかが、その人の免疫力と大きな関わりを持っているのです。
おおまかに四分類される腸内菌
腸内フローラ
1 | バクテロイデス門 |
2 | ファーミキューデス門 |
3 | アクナノバクテリア門 |
4 | プロテオバクテリア門 |
このうち、日和見菌のひとつ「ファーミキューデス門」の細菌グループが多い程、肥満になりやすく、これを「デブ菌」と呼んでいます。逆に「バクテロイデス門」の細菌グループが多い程、痩せやすく「ヤセ菌」と呼んでいます。
腸内細菌は、食べ物を分解する時に分解酵素を分泌します。ファーミキューデス門の細菌は、エネルギー回収が良く、肥満につながりやすく、バクテロイデス門の細菌グループは短鎖脂肪酸を排出すると、細胞脂肪に働きかけ、脂肪の取り込みが止まり痩せるようです。