農業従事者の高齢化、産業廃棄物の処分場の少数化、そして資源のリサイクル化の時代の流れに沿い、静岡県の農産物のうち、資源化・リサイクル企業化が可能な2品目について、利用企業化の企画案を提示してみました。
摘果蜜柑の利用
ミカンは、良質な果実を得るために、樹木より幼少期に果実を摘果します。
葉の内側や、枝の内側に結実した「内成り果」、空に向かって伸びた枝に結実した「天(あま)成り果」は、小さな内に「摘果」します。
現在、摘果のミカンの、ほんの一部が「酢橘(すだち)」・・・橘の実で、ユズよりも小さく、徳島県の名産で、酢を絞り料理に使う・・・の代用品として愛好家の間で、個人的に利用されているにすぎない。残りは捨てられています。
樹下にネットを張り、こうもり傘と同じ仕掛けで、落下させた摘果ミカンを集める装置を(コーヒーの実の収穫ネットなどを参考に)考案し、そのエキスを絞りとり、産業化を図る。
または、そのままでも、市場に流通させれば、製品化が可能であり、使用方法を「化粧」「健康」「美食」の各方面に宣伝すれば、愛用者が予想できます。
成分は、レモンのレモン酸などと同様の「キレート作用」、オレンジのオレンジオイルと同様の「d-リモネン」が予測され、「植物酢」「香料」「洗浄効果」などが期待されます。肌への「保湿効果」も期待されます。また、害虫の忌避効果、ミミズなどの忌避効果も期待できます。
茶花、茶実の利用
現在、お茶は、葉だけが利用されています。
経済効果の少ない「二番茶」「三番茶」「四番茶」などは、摘採されなくなって来ています。「刈り捨て」もされています。
このような中で、バイオエタノール用の「茶実」と、健康食品としての「茶花」の商品化と企業化の可能性を提案致します。
特に、「茶花」の「黄色の花粉」を抑える方法としては、「酢漬け」、そのままの「花形」を崩さないで、「花の香り」を生かした「花の裏側に天ぷら粉」を衣とした「茶花の天ぷら」は、美味しく、ビタミンCも豊富に含まれています。
「さくら花茶」「さくら葉」の利用は、良く知られていますが、「お茶」の「花」の利用は為されていません。これも、高級料亭用、日本料理用に商品化、製品開発が可能な農産廃棄物です。