芝地と球速の関係は、物理的な要因でおおまかに推測できます。
傾斜角度や風向きなどの影響が大きいのです。
次に、芝地の構造と表面が問題になります。表面の凹凸の影響が大きい。次に構造の問題で、コンパクションに関係して来ます。土壌の粒径、粒質、シルト含量などに加えて、ピートモスや堆肥や鶏糞などの含量、そして芝草の根茎まで関与して来ます。
芝草が与える影響は、次の問題です。品種と品質、刈高と芝草の硬軟、苅込方向などが微妙に関与して来ます。
いずれにしても基本は「球の速度と回転」そこに及ぼす「物理的な抵抗性」が球速を決める大きな要因となります。風向き、表面凸凹が大きな要因で、そこに芝草の管理方法が影響を与えるのです。そうしたことから考えると「ローラー掛け」の総重量(重さ×回数)と「ローラー掛けの方向」は、影響が大きいのです。表面の凸凹に関しては、「化粧目砂」の影響が大きいのです。次に、「芝草の硬軟」「高麗」か「寒地型」か「バミューダ系」..かが問題です。次に、その中の「品種」になります。根茎や匍匐(ランナー)の有無、葉の広さ細さ、葉の立具合、寝具合、そして「刈高」が球速への抵抗性になります。
見ても分からない部分が「コンパクション」です。「土」か「砂」か、粒径や粒質やシルトが関与し、そこにゼオライトやピートモスが関与し、次に芝草の「根」と「未分解サッチ含量」が関与して来るのです。
さて、そこで微妙な変化を及ぼすのが「芝草の管理技術」ということになります。
トーナメント前のローラー掛けは、その場では重要ですが、「何回も重複した箇所」があると、茎折れなどの芝草被害が後々に影響を与えてしまいます。
トーナメント前の「低刈り」も、「茎刈り」まで及んでしまうと、後々の回復が望めなくなってしまいます。
このように考えると「化粧砂」の品質と回数、そしてローラーとの前後の兼ね合いは、重要なファクターになります。
そして、事前に数カ月前から「未分解サッチ」を極力少なくして、透水性と通気性を高めておくことの重要性が理解できます。
また、直前には「葉を硬くするケイ酸資材」、「腰のある葉を作る資材」などが注目を集めます。ボールマークの痕跡がついているようでは、軟弱葉の可能性が高いのです。