”農暦”と芝草管理②
現在の新暦の2月4日(本年の立春)前後が、旧暦の1月1日になり、まだまだ寒さの厳しい時期です。ところが、2017は1月28日が旧暦の「正月」になっています。一週間ばかり早いのです。このことは、通年よりも一週間、春が来るのが早いということです。早く、暖かくなるのです。
立春から約半月後、厳しい寒さが緩み「雪から雨に変わる」ことから「雨水」と呼ばれています。「雨水」を境として「大地に水分が戻り」「命が動き出す」と考えられています。
温度が上がり、「霞」が生じ、「草木の芽が出始める」とされ、農作業の様々な準備に取り掛かる頃とされています。
2月は「酒粕」の出る時期です。これは、「酉」の時期に「仕込み」をしたものが「酒」として世の中に出る時期なのです。
「酒」は雑菌の入り込むのを避けて、「寒冷な時期にゆっくり醸す」のです。ですから、「酉」即ち10月に仕込むのです。「酉」という文字は「酒」を仕込んだ「甕」「壺」を表した象形文字なのです。
酒と関係ある文字を点検しますと、「配」は「酒を配り勧める人」、「酬」は客に酒を勧め、酬いを頂くこと、即ち「応酬」「報酬」を意味し、「醫」は「お酒の薬」を意味しています。
変わったところでは「煎酒」なんて言葉もあります。「いりざけ」と読みます。
これは、梅干しと鰹節を酒で煮詰めて作った「調味料」です。室町時代から江戸時代にかけては、代表的な日本の「調味料」でした。江戸時代の後期になると、「醤油」が安価で製造されるようになり、その地位を「醤油」に明け渡したのです。
しかし、旨味の「鰹のイノシン酸」「酒のグルタミン酸」「アミノ酸」「梅のコハク酸」「クエン酸」など豊富に含み、調味料としては最高のものです。近年、再度見直され、密かに「グルメ通」の間で使われ始めています。