「こけら落とし」は、「苔羅落とし」と書くと思っている人がいると思います。違いますよ。
実は「杮落し」と書きます。「柿」(かき)という字ではありません。
杮(こけら) と 柿(かき)
亠に巾と書いたものが「柿」(かき)です。市と連ねて書いたものが「杮」(こけら)です。
ですから、厳密には、柿(かき)という字は、亠に巾との間が切れているのです。杮(こけら)という字は、亠に巾とが連なっているのです。
では、「杮」(こけら)という字の意味は、何かといいますと、「カンナ屑」の事です。
木造建築では、屋根に積もっていた「カンナ屑」を最後に落として完成するのです。
「こけら落とし」とは、建築物が完成したということなのです。完成して、使用を開始したということなのです。
「こけら落とし」の反対語は「千秋楽」という言葉になるかと思います。営業、使用の最後の日ということです。
千秋楽は、千歳の楽日、千年の最後の日、であり、雅楽演奏の「千秋楽」や演能の最後の付け祝い言葉として「千秋楽」が述べられます。相撲の最終日に行事が「千秋楽」と口上します。
知らないと恥をかくかもしれません。