シェールガスの発掘でアメリカでは、1年でガス代が半分になりました。それは。頁岩(けつがん)に閉じ込められていた天然ガスを取り出すことができるようになったからというのです。

 

 頁岩のことをshale(シェール)といいます。頁はページとも読みます。本のページです。薄く層状になった泥の堆積岩です。この岩盤の中や下に、シェールガスやメタンハイドレードは閉じ込められています。世界の五大陸に閉じ込められているシェールガスは、世界のガスの消費量、約60年~160年分が埋蔵されていると推定されています。アメリカでは、このシェールガスを取出せる技術革新が進み、既に天然ガスの全量の20%以上をシェールガスで賄えるようになって来たのです。それで、アメリカ国内の天然ガスが半額に下がったのです。

 

 取り出し方法は、地表から1002500m余り地下の頁岩を砕く必要があります。特殊な「水の高圧注入機」で頁岩を砕くのです。そして圧力水(臨界水):、頁岩層に注入すれば、割れ目よりシェールガスがパイプに回収される仕組みです。頁岩層に沿って、ちょうど井戸を横に掘り進むような形になります。

 

 ところで、これによって日本列島の近海に眠る「メタンハイドレード」の採取は、更に遠のきました。残念ですが60年~160年後になりますね。どうしてかというと、メタンハイドレードは、メタンの氷であり、超低温の条件である海の水の中「1000m以上の深海」の頁岩から採取しなければならないのです。しかも、深海で固形のメタンを気化させるのに「温水」を送らなくてはなりません。コストがかかり過ぎます。

 どう比較しても「シェールガス」の方が有利です。

 

 「シェールガスを採取する」革新的なこの新技術の影響は、他の太陽光発電、風力発電所、海水波発電所などよりも、既存の発電所をそのまま使えること、コストが安い、ということから、これからも、いろいろな面で社会的な影響が出て来ると思われます。

 

 世の中は、日進月歩ですね。